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別に表紙買いじゃないんだからねっ

■明日泥棒 / 外薗昌也(原作)・別天荒人(作画)
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主人公・宮迫享一の願望が生み出した天堂明日のコピーと既に存在している本物の天堂明日がいて、コピーのほうは自分が本物の天堂明日でないと自覚したときにその存在は消えてしまうという完全にアイデンティティそれだけによって存在が成り立っている状態なんですが、この設定だけ聞くとすごく面白そうに思えてけっこうワクワクして読み始めたんですが・・・。正直、おもいっきり期待が外れました。うけがよさそうな題材だけいろいろひっぱってきて世界系SFっぽくやってみましたっていう印象しか受けないんですけれども。作者がSF畑の人じゃないのかと思って調べてみたらむしろSFには造詣が深そうな人でしたし、だったらなんでこんな作品になっちゃったのかと不思議です。まだ1巻なのでとりあえずぶっ飛んだ設定だけ出しておいてこれからもっとSFしてくれればいいんですけれども、どうやらそうも行きそうにない雰囲気でこれから先を読む気はあんまり今のところないんですよね。セリフなんかもこんな言い方普通しないよっていうちょっと読んでいて突っかかる部分がけっこうありますし、なんかこう中途半端にラノベ的なノリの軽さというか読者置いてきぼりで作品中だけで盛り上がっちゃっているような雰囲気もあって、ぼくはどうも馴染めませんでした。

この作品でSFをやるんだったら、自我や現実というものをどう認識するのか、「自分は天堂明日である」という意識・言葉のみによって定義され存在できる天堂明日が既にいる現実の天堂明日の存在を認めた上で例えば別の人格を形成して確固たる存在として存続し得るのか、意識から現実は生まれるのか、自我そして現実とは何かをどう定義するのかetc...etc...。こういう展開を期待していたんですよぼくは。だからちょっと現時点では不満のほうが多い漫画です。

全然関係ないんですけれども、単行本の表紙の部分的ツルテカ加工が非常にさわり心地がよくて感動しました。それは認める。

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悲しかったこと

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最近愕然としたのが、本屋に行ったときに漫画コーナーのマガジンZコミックスの棚からとうとう『KING OF BANDIT JING』が全巻撤去されてしまったことに気づいたときでした。ここ数年まったく売れていた様子はなかったので今さらまとめ買いした人がいるとは思えないですし、ついに店頭からも消えたかと思うと一番好きな漫画なだけに寂しいものがあります。『JING』は7巻まで出して無期限休載中(実質7巻が最終巻)、その後始まった新作『Q&A』も現時点で単行本1巻すら出る前に絶賛休載中という終わらない夏休みが続いている状態です。JINGはJINGであれで完結している感はあるのでQ&Aだけでも何とか続いて欲しいんですけれども…。

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完全版資料集の発売を熱望します

トランスフォーマー ムービーガイド

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「唯一のオフィシャル資料集 」と銘打っている割には内容の薄い資料集でした。ムービーガイドと言うよりはキャラクター設定集と言ったほうがいいかもしれません。各トランスフォーマーたちのロボットモード、ビークルモードのCG全身像と共に細かい設定がいろいろ書いてあります。それはいいんですけれど、問題なのは載っているキャラクターの数。

スタースクリームが載ってないってどういうことだよ!

アイアンハイドもボーンクラッシャーもデバステーターも載ってないし、これで唯一のオフィシャル資料集とか言ってるのはどうかと。

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"V for Vendetta" 原作vs映画

“V”の原作者アラン・ムーアは映画化にあたって一切彼の名前を出さないようにさせましたが、それはこの原作コミックの日本語版にもあらわれています。帯の宣伝文句にも映画化とかそんなことは一切触れられていません。ウォシャウスキー兄弟(姉弟)のことは書いてありますが、彼ら(彼女ら)がこれを「マトリックス」の参考にしたとかそんなことが書いてあり、この漫画自体が映画化されたことについてはノーコメント。映画版“V”のことに触れないようにギリギリのところを突こうという出版社の苦しみがよく分かります。アランはそれほど大嫌いだったんですね、映画化が。内容に関してはもうちょっと読み込んで映画と比べてみないと何とも言えませんが、少なくとも絵(映像)に関しては映画版もなかなかいいんじゃないでしょうか。というかむしろイヴィーなんかは原作の絵よりもナタリーのほうがよほどいいじゃないですか。
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例のロリコン主教のシーンとかはさすがにナタリーでも無理があるだろうと思って見ていたら、原作を読んでみるとこちらの絵のほうが映画を遥かに凌いで無理があります。誰このゴリラ。作画担当のデヴィッドさんは鼻の穴とおでこのしわをやけに頑張って書いているようですが、イギリス人の書く漫画のセンスがよく分かりません。

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「雪風」を読むと食べたくなる料理

・バーガディs…もとい、チキンブロス
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突然料理ブログ的なことをやり始めてどうしたんだと思われるかたもいるかもしれませんが、SFなんですよこれも。

神林長平の小説にはいろいろとおいしそうな食べ物飲み物が出てきます。そのなかでも、おそらく神林SFを読んだ誰もに強烈な印象を残す食べ物といえば「戦闘妖精・雪風 <改>」に出てきたチキンブロスでしょう。いわゆるバーガディシュ少尉です。本作品中で深井中尉が食べさせられたチキンブロスは彼の同僚バーガディシュ少尉の肉を使ったものでレクター博士ありがとうといった感じですが、本来はその名の通りチキンで作ります。

作り方はいたって簡単。水にチキンキューブと適当に切った鶏むね肉を入れてとりあえず沸騰するまで待って、それからお好みの野菜と米を入れて弱火で2、30分あくを取りながら煮込みつつ塩とコショウで味を調えて出来上がり。今回はニンジン、タマネギ、カボチャ、キャベツ、そしてキノコはシメジを使いました。やけに黄色く見えるのはカボチャがほとんどバラバラになって溶けてしまったせいです。

ちなみに写真のカクテルはギブソン。ドライジン(5/6)、ドライベルモット(1/6)でステアします。本当はパールオニオンを飾るのですが、なかったのでこれだけです。

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クルマと自動車

魂の駆動体」 / 神林長平

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何度も書きますけれど全人類必読ですよ。クルマの使い方を間違えている昨今の人間たちにぜひ読ませてみたい傑作。そしてSF、神林入門としてもおすすめできる作品です。モノがたくさん積めればいいのか、音が静かならいいのか、車内空間が広ければいいのか、それでいてクルマ自体はコンパクトならいいのか、そもそもクルマの実用性ってそこじゃないでしょう。燃費のよさとかエコロジーな燃料へとシフトしていくのは悪くないですけれど、外見とかそういうことだけでなく技術・精神面も含めてあらゆる意味でのクルマ周辺のデザインがいつの頃からだかよく分かりませんが本当に面白くないものになりました。特に国産のコンパクトカーがのさばるこの時代。別にまたスーパーカーブームが来なくてもいいですけれど、そういった方向から離れていくのが寂しい気がします。クルマは手段ではなく目的であるべきです。この本で言うところの“自動車”が本当に実現する未来もそう遠くはないのではないでしょうか。

珍しく今日はバルケッタが走っているのを見かけたのでそんなことを思ってみたり。

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「マイノリティ・リポート」読了

読み終わりました。さすがに短編だったので1時間もかからずに一気に読めます。ぼくとしてはこれは原作のほうが圧倒的に面白い。今原作を読んだ上で映画のほうを考えてみると、まったく別物です。両方のエンディングを比較してみれば分かりますが、まったく正反対、というか読者・視聴者に伝えたいことが別物です。スピルバーグはこの小説を読んでディックの何を理解したのでしょうか。面白くないとは言いませんが、原作をここまで変えるのであればタイトルを「ブレードランナー」くらい違うものにしてあくまでもディックの小説は“原案”くらいにしておくべきだったのではないでしょうか。

どちらかというと映画では、殺人をするという自分の未来を知ってしまったアンダートンがそれを阻止しようと、あるいは真犯人を見つけようとするサスペンス的な要素が前面に出すぎていて、タイトルにもなっているくらい肝心な未来のマイノリティとマジョリティについてはちょっと脚本の背後に隠れすぎたと感じました。

トム・クルーズ主演、スピルバーグ監督ということでどうしてもSFX、アクションメインのそれなりの娯楽大作になってしまうのは仕方がないと思いますが、もっとコアなSF、ディックファンも満足できるものにして欲しかったというのが正直なところです。変にギャグシーンを入れすぎだとも感じました。ああいうものはディック作品には似合わない。

ただ、いいところもたくさんあって、やっぱり未来都市の描写はなかなか面白かったです。手をあれこれ動かして操作するコンピュータとか、変なクルマとか、リアルなホログラムみたいなものを映し出すスクリーンとか。それから「ブレードランナー」でも思いましたけれど、どれだけ科学技術が進歩したところで雨が降れば人はけっきょく傘をさすんですよ。2054年になっても雨には傘しか対抗手段がないというアナクロさがまた何ともワクワクするじゃありませんか。

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やっとギブスンの読み方が分かってきたよ

「カウント・ゼロ」まだ途中ですが、いやあこれは楽しい。黒丸尚のクセのありすぎる翻訳に慣れてくると、俄然面白くなってきます。過剰とも言えるほどルビを多用した文体がとてもスタイリッシュ。“冬寂(ウィンターミュート)”、“凝り性(アーティスト)”などは大好きな単語です。“?”は一切使わず“……”にするなど、初めて「ニューロマンサー」を読んだときにはストーリーとか設定とかそんなことよりもまず書いてある日本語(らしきもの)自体がさっぱり分からず混乱しましたが、もう慣れました。オリジナルの文章がどうなっているのかは知りませんけれど、ある意味滅茶苦茶な翻訳なのに、それでも、いや、だからこそ「ニューロマンサー」シリーズの世界をうまく表現しているのだなと思います。

「ニューロマンサー」から始まる3部作の第2作目となるのが「カウント・ゼロ」です。ターナー、マルリイ、ボビイという3人の主人公、それぞれのストーリーが何度も入れ替わり、それがまったく平行な3つの直線を延々と追いかけていくような感覚で、一体これらの物語はどこで、そしていつ収束するのだろうかとわくわくしながら読んでいます。ギブスン流に言えば、本の内部のマトリックスに没入(ジャックイン)するような読み心地がクセになります。これだからSFはやめられない。

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