2008.03.27 Thu
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

リジーの台詞を借りれば、“道を渡るのに遠い「回り道」をした2人”というのがこの映画に登場する3組の人物に共通することでしょうか。それはカフェで出会った男女であったり、仲違いした夫婦であったり、逃げ出した娘とその父親であったり。すぐ近くにいるのに心の距離を置いて離れ離れになってしまった2人、そんな3つのストーリーをN.Y.、メンフィス、ラスベガスとまさにアメリカを横断する旅に出たリジー(ノラ・ジョーンズ)の視点を通して描いた作品です。ウォン・カーウァイ監督の作品は初めて見たんですけれども、まず常にネオンサインに照らされているかのような原色をふんだんに使った眩しくて幻想的ですらある映像に心を奪われました。そのあたりは何となく中国出身の監督らしいなと感じます。
それともうひとつ、映像的にも心惹かれるものがありましたが、ぼくにとって一番気に入った要素が「声」で、ノラ・ジョーンズ、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマンという3人の主演女優の声がこれ以上ないくらい僕が好きなタイプの声なんです。耳心地が良いというか、いい意味で耳レイプ。そんな女性陣に加えてジュード・ローのイギリスなまりの英語(何だかこの言い方には違和感があるんですけれども。何て言ったらいいんだろう)がカッコよくて、もう音だけでおなかいっぱいです。ハスキーボイス&イギリス英語フェチという人には最高ですよ。それから全体的に甘ったるくなりがちな雰囲気をピシッと締めるようなデイヴィッド・ストラザーンの渋い演技の存在も大きくて、彼がいなかったら雰囲気だけのオシャレ映画に成り下がっていたような気がします。はっきり言ってストーリーとかは大したことないと思うんですが、個性的な映像、そしてぼくにとってパーフェクトなキャスティング(声的な意味で)、この2つに尽きる映画でした。
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