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短い良作『ストロボライト』

久しぶりに「これは!」と思う漫画に出会ったのでちょっと紹介。青山景の『ストロボライト』という作品で、『CONTINUE』で連載されていたものです。全1巻の短い漫画なのですが、短篇映画のようでなかなか読み応えがあります。

おおまかに内容を書くと、小説家の主人公が夜行列車の中で学生時代の自伝小説を書いているパート、そしてその小説の中の学生時代のエピソードのパートの2つが交互に展開されて行きます。それだけじゃなんら変わったことのない普通の漫画なのですが、これの面白いところが主人公が書いてる過去のエピソードというものが真実かどうか判断できないっていうところなんですね。現在の主人公が小説として書くことによって過去が確定し今の自分をつくり出しているのか、あるいは実際にその過去があったからこそ現在の主人公は存在しているのか。この「現在→過去」あるいは「過去→現在」という2つの時間の流れが存在し、普通に考えれば過去が未来の原因になるわけですが、本文中の言葉を借りれば「林真理子が清少納言に影響を与えるような事態」がこの漫画の世界では存在し得るんじゃないかという気がしてきてしまうのです。とまあそんなことを間テクスト性がどうのとかメタフィクションがどうのとか専門用語をあれこれ用いて解説してみたいところではありますが、残念なことに何一つぼくはそれらの用語の意味が分からないので、そのあたりの考察はネット上で色々とレビューを書いていらっしゃる他の文学畑の人たちにまかせるとして、とにかくこの漫画の面白さっていうのはそんなところにあるわけです。

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そんな作者のテクニカルな一面は置いといて、ストーリー自体はなんてことない恋愛ものなのですが、ひとつこれは分かるわと思ったのが、主人公はとある映画が大好きでその映画のヒロイン・加藤ユキ役の女の子・桐島すみれのことがずっと好きだったんですね。それであるときそのヒロインと瓜二つの女の子・町田ミカと知り合い、その子がその映画に出演していた本人だということを知ります。それで主人公ははたして自分が町田ミカを好きなのか桐島すみれ、あるいは加藤ユキが好きなのか分からなくなってくるっていう部分がぼくにとってもリアルな話で、これは確かにあるよなとちょっと考えてしまいました。

まあそれはいいとして、ちょっと全体として気になったのが、やっぱりボリュームが少ないことなんですよね。それはいいところでもあって読みやすい量とペースなのですが、欲を言えばもうちょっとこの作品のテーマを書ききるには長さが必要だったかなとも思います。これ以上付け加えても蛇足にしかならないのかもしれませんけれども、ちょっとあっさり終わりすぎて綺麗にまとめすぎじゃないのって思ってしまいました。過去パートはこれでもいいですけど個人的には現在の列車パートでもっとグダグダと議論を展開してくれてもよかったかなあと。せっかくなので美和子がもうちょっとシナリオに絡んできて欲しかったかなとは思います。

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ストロボライト / 青山景
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